10月10日より開幕する第16回山形国際ドキュメンタリー映画祭2019にあわせて、フィルムメーカー小田香の絵画作品を展示・紹介いたします。小田はサラエボで巨匠タル・ベーラに学び、ボスニアの炭鉱で働く坑夫たちに密着した作品『鉱 ARAGANE』がYIDFF2015「アジア千波万波」に選出され、注目を集めました。
本展「muse series – paintings of Cenote」は、メキシコで撮影した新作『セノーテ』の編集期間に、小田が自室で描いてきた100点組の絵画「ミューズ」シリーズの一部を展示します。
セノーテとは、ユカタン半島北部に点在する洞窟内の泉。マヤ文明の時代、雨乞いの生け贄が投じられ、周辺に現在も暮らすマヤにルーツを持つ人々にとって現生と黄泉を結ぶ聖域とされています。前作『鉱 AKAGANE』と同じく、地下世界に自ら潜って撮影した小田が、そこで見て・感じたビジョンとは? 今回のYIDFF2019「アジア千波万波」で上映される映画『セノーテ』とあわせて、光と闇、生と死、映画と絵画が交錯する本展に、ぜひ足をお運びください。
企画:kanabou
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2017年の年始にリュミエール兄弟についての映画のなかで「蛇のダンス」を観た。そのショットに心奪われて、ダンサーの絵を描きはじめると、日に日に己がとりくんでいるメキシコ水中洞窟の映画と絵が関係をもつようになった。
雨乞いのため生贄として洞窟内の泉に投げ込まれた少女たちに思いを馳せながら彼女たちの顔を描いた。メキシコ現地での撮影では、多くの人と出会い、たくさんのお話を伺い、未知の水中空間に潜った。
過剰気味なインプットの後、日本に帰り撮影素材をまとめつつ絵を毎日描くというアウトプットをすることで、心身が経験したものを反芻しようしていた気がする。
小田香(2019年9月)
I saw “Snake Dance” in a film about the Lumière Brothers at the beginning of 2017. I was fascinated by the shot and started to draw images of the dancer. Then gradually the images became involved with the film of Mexican underwater caves that I was working on. I drew faces of girls who were thrown into the springs in the caves as sacrifices for the rain, thinking and imagining them while drawing. When we were shooting in Mexico for the film project, we met many people, heard many stories, and dive into unknown underwater spaces. After those excessive inputs, I went back to Japan and made outputs of drawings every day while gathering up the film materials to trying to ruminate upon what my body and mind experienced.
Kaori Oda(October, 2019)
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小田香(おだ・かおり)……1987年大阪府生まれ。フィルムメーカー/アーティスト。イメージと音を通して人間の記憶(声)―私たちはどこから来て 、どこに向かっているのか―を探究する。2013年、映画監督のタル・ベーラが陣頭指揮する若手映画作家育成プログラムであるfilm.factory (3年間の映画制作博士課程)に第1期生として参加し 、2016年に同プログラムを修了。2014年度ポーラ美術振興財団在外研究員。ボスニアの炭鉱を主題とした第一長編作品『鉱 ARAGANE』(2015) が山形国際ドキュメンタリー映画祭・アジア千波万波部門にて特別賞受賞。その後、リスボン国際ドキュメンタリー映画際、マル・デル・プラタ国際映画祭(アルゼンチン)、台湾国際ドキュメンタリー映画祭などに招待。2017年に完成したエッセイ映画『あの優しさへ』が、ライプティヒ国際ドキュメンタリー&アニメーション映画祭ネクスト・マスターズ・コンペティション部門にてワールドプレミア上映。
Kaori ODA……Born in Osaka (Japan), 1987. Filmmaker/Artist. Through images and sounds, her works explore the memories of human beings. She lived in Sarajevo for three years from 2013 and completed the Doctor of Liberal Arts in filmmaking under the supervision of Bela Tarr in 2016. Her first feature, ARAGANE (2015) shot in Bosnian coal mine, had its World Premiere at YAMAGATA International Film Festival and received Special Mention. The film has been screened at festivals such as Doclisboa, Mar del Plata IFF, Sarajevo FF, Taiwan International Documentary FF and more. She is a recipient of Grants for Overseas Study by Young Artists of Pola Art Foundation in 2014.Her second feature, Toward A Common Tenderness (2017), had its World Premiere at DOK Leipzig.
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会期:2019年9月26日[木]→10月20日[日]
11:00-19:00・入場無料/水曜定休
〈ギャラリートーク〉
小田香 × 宮本武典(キュレーター)
10/13[日]18:00-20:00/ワンドリンク制
〈YIDFF2019・アジア千波万波プログラム〉
・プログラム詳細ページ
https://www.yidff.jp/2019/program/19p2.html#t6
*小田監督の『セノーテ』は、下記2回の上映です。
・10/12(11:00~)
・10/14(16:40~)
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会場:KUGURU
〒990-0042 山形県山形市七日町2丁目7-23 とんがりビル1階
企画:kanabou
企画協力:認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局
お問合せ:株式会社マルアール
Tel:023-679-5433/Mail:info@maru-r.co.jp
※専用駐車場はございません。近隣の有料駐車場などをご利用いただきますようお願いいたします。
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